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水でもかぶって反省しなさい

この真冬の寒い時期に、どこのバカが水垢離なんてするでしょう。
ここのバカです。きなしです。

それは真冬の――寒い朝のことでした――。

先日、赤坂に遊びに行った日の朝の話です。

お湯の蛇口をね。捻るじゃないですが。出ないんですよ、ちょろっとも。
それどころか、給湯器の表示パネルに炎のマークがつかないんです。

あっ、これは。と思ったんですよね。はい、そうです。
給湯器が凍結しておりました。

私が住んでいるあたりではちょっと珍しいことなので、面食らいましたねえ。
というか私、お風呂は朝に入る派なので、普通にめちゃくちゃ焦りました。いや、さすがにお風呂に入らないで外出とか無理じゃないですか。しかも場所がオシャレタウン赤坂。なんぼなんでも、ちょっと恥ずかしいです。

そんなわけで。

夜のうちに入っておかなかった己の不覚を呪いつつ、とれる行動はひとつです。

やかんにお湯を沸かして、湯船に溜めて、また沸かして、溜めて、沸かして、溜めて、沸かして、溜めて、そのままじゃアッチチチなのと嵩増しのためにちょっとだけお水を足して、そうしてようやく少しばかりのお湯を作ったわけです。

洗面器一杯のお湯をこれほどありがたく思う日が来るとは思いませんでしたね。

火の気のないお風呂場にうずくまり、洗面器に掬ったお湯を大切に大切に頭と体にかける私。おーさみおーさみと言いながら、気分はもう修行です。いやもう、終盤なんて冷めきっちゃってて、ほとんど水も同然だったもんで。
最後の最後になって、気をきかせた母がやかんに沸かしたお湯を差し入れてくれまして、そのおかげでなんとかちょっとだけ温もりましたが、本当におすすめしません。いや、誰もやらないと思いますけど。
私も二度とやりたくないので、今日から給湯器の電源は落とさずに寝ようと思います。
余計なガス代がかかるって父は言うけど、知ったことか!

ちなみに何もかも身づくろいが終わってから、給湯器様は無事復活されました。

給湯器様、私、蛇口からお湯が出ることの喜びを忘れません!

大量のもち米を冷水で研ぐ羽目になった母とともに「給湯器様、給湯器様」と両手を合わせて拝み、いやいやふざけて遊んでるような時間じゃねえ! と私は一路東京に向かったわけです。

電車には間に合いませんでした。すごく、遅刻しました……。
本当にごめんなさい……。