記事一覧

見習い女房と安倍の姉妹

社会の底辺で働く事務屋に年末の休みなんてあるわけないんです。
年始の休みがあるだけ、サービス業勤務時代に比べれば天国なんですけどね。こんにちは、社畜です。間違えました。きなしです。

連日の残業と休出ですっかり本屋に行く気力もなく……なかったんですが、ないところをふりしぼって、買ってきました鬼舞新刊。

あの少女小説みたいな表紙を本屋で見るなり、フフッて笑ってしまった私に罪はないと思います。我慢できずに見本で挿絵をパラ見して、予想以上に美人だった安倍姉妹にまた笑ってしまいました。完全に不審者です。
さすがにこれ以上はまずいと思い、そそくさと購入して帰宅。そして飯も食わずに通し読みをしました。

ひ ど い 。 これ以上言葉にならない。(褒めてます)

ちょっと前にもお話したことなんですが、私は「水底からの声」に次いで好きな話(そして瀬川先生の真骨頂であろうと思う話)が「尾張名古屋の夜はふけて」でして、今回全編あんな感じです。そんなこともないですか。とにかく笑いすぎて健康を犠牲にしました。酸欠で頭が痛いです。
幸いなことに同居している両親はオタクに理解があるので、遠慮なくガハガハゲラゲラ笑ってたんですけど、思いっきり笑うのって気持ちがいいものですね。
瀬川先生、ありがとうございます。この元気でクソ忙しい年末を乗り切れそうです。

本編についてはネタバレを気にする方もいらっしゃると思うので、黙っておきます。
ただまあ、二人の大陰陽師までシリアスな展開が続いたのと、他の新刊が集英社文庫から出ている「ばけもの好む中将」だったのとで、しばらく瀬川節を聞いておりませんでしたので、今回の新刊は格別に楽しかったです。
瀬川先生はオンとオフをきっちり書き分けてるのがすごいですね。骨子はしっかり重くしてあるのに、お涙頂戴にまとめたりしないところが好きです。人を泣かせるより、人を笑わせるほうが難しい、と私は思っています。

ところで、あとがきについてですが、

おお、冬路かわいいし、吉昌かっこいいし、なんだか王道の少女小説みたいだ!

って瀬川先生自ら言ってしまっていて、考えることは作者も読者も一緒(※12/11の記事参照)なんだなって思いました。あと、瀬川先生なりの創作の心得もお話されていましたね。コバルト作家を志す者として大変勉強になりました。

瀬川先生ファンにとっては楽しみのひとつであるあとがきも、今回は大ボリュームでしたし、鬼舞新刊はいろいろと買いです。おすすめ☆5つ。

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ