自分が思う克誠ソングは、克也目線だと「ヴォイス」とか「シザーハンズ」になりますが、誠ちゃん目線だと「tune the rainbow」とかそんな感じです。
うん、私の趣味丸わかりだなこりゃ!
私ね、自分は孤独だと思ってる人が、やさしさに包み込まれる瞬間が、そりゃもう大好物なんですよ!
私の勝手なイメージではありますが、克也は自分が孤独であることを諦観してると思ってます。
悲観ではなく、諦観。
彼の生い立ちって、やっぱりとても不幸じゃないですか。
小さい頃に両親が離婚して、母親には見捨てられて(実際には父親が自分の後継者にするつもりで手放さなかったんだろうけど、克也は母親に連れて行ってもらいたかっただろうな……=母親には捨てられたという認識だろうなっていう妄想)、一緒に暮らしてた父親も、中学生の彼を遺していってしまって。
その上、父親の葬儀に現われた母親から、また捨てられて。
やっぱりね、子供だから期待したと思うんですよ。
そんな都合のいいことが起こるわけないって、期待する自分を叱りつけながら、心のどこかでは母親が迎えに来てくれたんじゃないかと思ったと思うんですよ。
でも、そんな彼の淡い期待を、母親は最悪の形で裏切ったわけで。
その時に彼は、他人に期待することをやめてしまったのではないかなと思う。
期待しても裏切られるだけだから。傷を深くするだけだから。それならもう、孤独であることを受け入れてしまうほうが楽だ。って、何もかも諦めてしまったのではないかなと思う。
その彼にとって、楠木家で過ごした三日間がどんなものだったか。
たとえば楠木さんのお母さんがお父さんの墓前に手を合わせて、幸せそうに微笑む姿とか、小さい楠木さんが、キッチンに立つお母さんと並んでおしゃべりしてたりとか、あるいは、修行を真面目にしないことで、アヤさんに怒られていたりとか。
家族がお互いのことを思いやりながら暮らしている姿は、克也が望んでも手に入らなかったもので、その中にいることはとても幸せで、そしてとても痛くて。
あたたかくて眩しい光のような記憶になったのだと思う。
だからこそ、彼は二度と楠木家を訪れなかったのかもしれない、と思う。
その光の真ん中にいた楠木さんが、天涯孤独の身で目の前に現れた時の克也さんの気持ちは、いかばかりかって話なんですよ!
「守らないと」って思ったと思うんです。
ただ一人、自分のことを愛してくれたアヤさんが、おそらく一番大切に思っていた存在だから。「俺が守らないと」って強く思ったと思うんです。
「アヤさん、大丈夫です。俺が守ります」って固く誓ったと思うんです。
それからずっと(彼なりの不器用なやり方ではあるけれど)楠木さんのことを大事に大事に守ってきたんじゃないかなあっていうのが、私の中の克也像。
うん、この人ホモじゃありません。
どっちかっていうと、ババコンのほうこじらせてます。
私的に克誠は、そんな克也の優しさに誠ちゃんが気付いてからはじまるのかなっていうイメージ。
どうしてそれほど献身的になるのか、最初は理解できないんだけど、そのうちに克也の心にぽっかりと空いた穴の存在に気付いて、逆に「守ってやらないと」って思う誠ちゃんとか。
一緒にいることで少しずつ埋まっていく心の隙間とか。
そういうものを想像すると、克誠っていいなって死にそうになります。
はやく克誠ちゃんの心を満たしてやりてえよおおおお。
こんなだから呪い克也しか原稿が進まねえよおおおおおお。
そんなことより魂吸いの壺書けって話なんだよおおおおおおお。