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レリゴーレリゴー

※「アナと雪の女王」のネタバレを含みます。これから楽しみたい方は、お読みにならないほうがいいと思います。

続き

ご多分にもれず、見てきました「アナと雪の女王」。
いえ、実際に見に行ったのはずいぶん前の話なんですが、ふと思い出したので。

前評判……というか、アナ雪ブーム加熱中! みたいな報道がそれこそ過熱している時、日本語の歌詞を読んで「レリゴーはありのままの自分を受け入れられるようになった時の歌なのか……」なんて漠然と思っていたのですが、本編を見ると、あれ、「ありのままの自分になるの」とか「これでいいの」とかそんな前向きな歌じゃなくて、「ヤケクソじゃー!」とか「どうにでもなれー!」とか、そんな感じの歌なんですね。

エルサ、とってもアメリカン。

日本人ならどん底まで落ち込んで「ずいぶんと恥の多い生涯を送ってきました……」とか言いながら引きこもりに戻りそうな展開だったのに、開き直って「妹なんて知るかー! 私は好きに生きるぞー! オラー! 文句あんのかー!」とばかりに氷の城を建てていくエルサの姿に、目頭が熱くなりました。

感動したとかじゃないです。同情で。
エルサ……あんた泣いていいよ……。

さて。ここからは私の個人的な話。

この作品も、「好きな人(お姉ちゃん・あるいは妹)とうまくいったらその他のいろいろな問題も急に解決してハッピー!」というディズニーのお約束にはまっていたわけですが、コバルトなんか見てても、最近はこういう感じの作品が多いですねえ。
私が感じている印象の話なので、しっかり統計をとったわけじゃないんですけど。うん、多い気がする。

世の中苦しいことばかりだから、物語の中くらいは気楽でいたい。というのがラノベユーザーの意思で、だからラノベで苦しい修行とかさせるのはナンセンスなんだよ。なんてことを言っていた作家がいましたが、そういうことなんでしょうか。

でも、考えちゃいますよねえ。

私は、今までの人生で後悔していることが山ほどあります。
それって大抵、めんどくさいことから逃げた時なんですよね。勉強めんどくさい。部活めんどくさい。人間関係めんどくさい。逃げなきゃ壊れてた時もありますが、逃げなきゃよかったなあと思うことのほうが多いです。

で、勢いまかせでバカやったことに関しては、失敗したこともたくさんありますが、あんまり後悔はしていません。

そういうの、子供のうちに知ってたら、人生もっと楽しかったと思うんですよね。
いや、子供のうちに、というか、身につまされる前に、というか。

本でそういうことを伝えようとするのは、ナンセンスなのかなあ。

楽しくてハッピーなことばかり書けない己の身が憎いですが、まあ、そういう価値観だからしょうがない。自分がいいと思うものを書くしかないです。

1月20日にはオレンジ文庫別窓)がついに創刊。
私が好きだった頃のコバルト作家が中心になっているレーベルのようで、今からとても楽しみです。
いきなり文庫から出た前作を読了している「異人館画廊」と、今野先生の新作「雨のティアラ」はもちろん買いですね。今まで読んだことのない作家さんですが、白川紺子さんの「下鴨アンティーク」も色鮮やかな書影がキュートで、読んでみたい気持ちにさせられます。
レーベル創刊に合わせていろいろな動きがあり、集英社様の力の入れようを感じます。
ライト文芸、どうかこれからの主流になりますように。